historyヘーゼルナッツの歴史
ヘーゼルナッツの発祥
ヘーゼルナッツの発祥地は、古代ギリシャ時代の中東トルコ。当時は食糧としての目的と、ナッツオイルを抽出するための2つの目的があったと言われています。
ちなみに日本では、ヘーゼルナッツの和名である「ハシバミ」がある文献によると平安時代に薬として食べられていたそうです。北海道ではアイヌ時代よりも前からハシバミからの変種である「エゾハシバミ」などが自生していて、実は日本にも長い歴史がありました。
世界で最初に栽培が始まったトルコ・ギレスン県の街並み。
ギレスン県の山に生える木の大半がヘーゼルナッツ。 奥に見えるのは黒海、その向こう側はロシアの領土。
ギレスンの商品の全てを任されている管理人のムスタファ。目の前に置かれているのが約20のトルコ品種。
高い栄養価と生命力
氷河期を乗り越えた低木の一つがヘーゼルナッツ。栄養面も高く保存性にも優れ、どんな時代にも重宝されてきた食糧は、古代ローマ時代にも貴重な扱いをされていました。博物学者のプリニウスによるとイタリアにはダマスカス(シリア)から運ばれてきたものであり、咳や風邪を治療する薬の目的だったと記録されています。
ヘーゼルナッツは主に北半球で育つ落葉果実。マイナス20度までは問題なく育ち、マイナス40度くらいまで耐える研究データもあります。また、1本でも果実を結実させることが可能であり、寿命50年以上の生命力こそ私がヘーゼルナッツの虜になった要因の一つです。
イタリアとヘーゼルナッツ
ピエモンテ・クーネオ県。奥にはアルプス山脈がある涼しい気候を好むヘーゼルナッツ。イタリア語でnoccioLA(ノッチョーラ)と呼ぶ。
ピエモンテ・クーネオ県の品種「トンダ・ジェンティーレ」は、香り豊かで世界一と称されるヘーゼルナッツ。地殻変動によって海が隆起してできた山々に囲まれた地区「ランゲ」の標高は700mにも登り、砂壌土は排水性に富み、日中と朝晩の温度差が甘みを引き出し、山が保つ適度な湿分によって乾燥を防ぎ、ヘーゼルナッツは上質な油分を蓄えることが出来ます。
収穫した実は1週間かけて天日干しをします。余分な水分だけを飛ばして乾燥させ、1年間かけて痛まない品質に仕上げるのがピエモンテ流。乾燥したヘーゼルナッツは殻のまま日の当たらない涼しい場所で保管します。殻は強固なので、殻がついたまま保存すれば油分を保ち続けることができるため、品質を落とすことなく維持することが可能です。